「他は己ならず」
この言葉は私が最近知って、はっとした言葉です。
ある時、道元というお坊さんが中国で修行をしているときに、年老いた僧が、真夏の暑い昼間に直射日光を浴びながらシイタケを干すお仕事をしていました。
道元はこれを見て、「あんなに年老いたおじいさんがやる仕事ではない。あのような仕事はもっと若い僧がやるべきだ」と思い、その年老いた僧に話しかけました。
「あなたのように修行を積まれた方がこのような仕事をするのではなく、もっと若い僧に任せたほうが良いのではないですか?」と。
すると、年老いた僧はこう答えました。
「他は己ならず」
この言葉は、「他人は自分じゃない」という、ごく当たり前のことを言っているにすぎないのですが、実はこれがすごく深い。
「他人は自分じゃない」という言葉の中には、「他人任せではだめだ。しょせん他人は他人なのだから、自分でできることを他人任せにしていては、決してそれは自分のためにはならない」と、そういう意味が含まれているのではないかと私は思います。
勉強も、それを誰かがやるんじゃなくて自分が自主的にやるから意味があります。
仕事も、自分が自分の責任でやるからすべてのその結果を受け入れられます。
スポーツもそうで、他人任せではなく、自分が勝負を決めるから勝利へと近づけます。
だいたい、勉強も仕事もスポーツも、他人任せにして、他人が失敗して腹を立てるような人はきっと成長しません。そこに責任が生じませんから。
勉強も、大人に「やりなさい!」と言われてやっている段階では、結局それは自分の意志ではなく、「他者の意志」で動いているから、もし成績が伸びなかったり、志望校に合格できなかったりしたら、それをその他者のせいにしてしまいます。
自分で自分の結果責任を受け入れるのは苦しいことです。
だから、自分で自分の責任を持つというのは相当な覚悟が必要です。
しかし、そのような覚悟がなければ絶対に人間、成長できません。
「他は己ならず」
非常にシンプルな言葉ですが、大事にしたい言葉です。
リトルステップ 塾担当 渡部岳(わたなべがく)
投稿者プロフィール
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リトルステップで学習塾を担当している渡辺です。
高畑小学校→道塚小学校→六郷中学校→東京高等学校→明治大学政治経済学部。
大学では『都市政策』専門家の市川宏雄教授のもとでゼミ活動を行い、その中で大田区長に対して「大田区の外国人観光客向け観光プラン」の政策提言を行いました。また、文学部で教職員課程の教授でもある齋藤孝教授から2年間教育方法・授業論等を学び、その教えを基に現在教育活動を行っています。
2019年3月まで学校現場でクラス担任をやっていて、現在も非常勤講師として学校現場に携わっています。
学校と塾と家庭の連携を図り、子どもたちをより良い進路へと導いていけるように最善を尽くします。よろしくお願い致します。
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