2月11日に野村克也さんの訃報を聞いて大変なショックを受けた先週1週間でした。
私が野村克也さんを知っているのは楽天の監督をやられていた時だけなのですが、小中高と野球をやっていた私にとっては大変影響を受けた方でした。
というのも、私はずっと野球でキャッチャーのポジションを務めていて、高校時代に当時の監督から「配球は野村監督の『野村ノート』から学べ」と言われて、3年間ずっとその本を読み続けていました。
本の中から、捕手の配球の基本を学びました。インコースの使い方、状況把握の仕方、状況に応じた配球の違い、打者の傾向分析の仕方、投手の傾向を生かした配球の仕方、迷ったときの原点能力(アウトコース低め)など、捕手をやる人間として、また野球をやる人間として大切な心得を野村監督の本を通じて学びました。
本の中にも書いてありますが、野村監督は「根拠のない配球」をすることを嫌います。
例えば何も考えずにボールを投げてたまたまバッターを抑えられたとしても、それは次につながらない意味のない配球になります。逆に根拠を持って選んだ球が打たれたとしても、それはその球を選んだ思考のプロセスをたどってなぜ間違えたのかを反省することができます。そしてそれが結果的に試合全体を通じて相手チームを封じ込めることにつながるのです。
まさに配球というのは正解のないものに根拠を探し集めて正解を追い求めていくプロセスです。
世の中には正解のないものに正解を見つけ出さなければいけない場面はたくさんあります。
例えば他人とのコミュニケーションであったり、自分の次に進むべき人生の選択であったり、効率的で意味のある仕事を考えることであったり、、
とにかく、大人になったらそのようなことばかりです。
このような能力はキャッチャーをやっていない人でも野球をやっていない人でも、身につけてほしい能力です。
野球でキャッチャーをやらなくても、正解のない答えに正解を導き出す能力を身につける方法があります。
それは「国語」の問題をたくさん解くことです。
「国語」の問題には実は絶対にこれが正解だという答えがありません。
それは実際のところ筆者がどんな思いでどんな気持ちでその文章を書いたのかは筆者以外にだれも知る由がないからです。
でも「丸がもらえる正解」があります。
それはどんな答えかといいますと、
前後の文脈から判断して根拠を導いて、「おそらくほぼ間違いなくこれが正解であろう」という答えが正解になります。
つまり、常にいろんな文脈や状況から考えて正解に近い答えを導き出すトレーニングとして国語の問題をたくさん解くことは最適なのです。
野村克也さんは野球に生きた人でありながら、その中で人生の教訓を後世にたくさん残してくださった偉大な方です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
リトルステップ 塾担当 渡部岳(わたなべがく)
投稿者プロフィール

- リトルステップ塾講師
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リトルステップで学習塾を担当している渡辺です。
高畑小学校→道塚小学校→六郷中学校→東京高等学校→明治大学政治経済学部。
大学では『都市政策』専門家の市川宏雄教授のもとでゼミ活動を行い、その中で大田区長に対して「大田区の外国人観光客向け観光プラン」の政策提言を行いました。また、文学部で教職員課程の教授でもある齋藤孝教授から2年間教育方法・授業論等を学び、その教えを基に現在教育活動を行っています。
2019年3月まで学校現場でクラス担任をやっていて、現在も非常勤講師として学校現場に携わっています。
学校と塾と家庭の連携を図り、子どもたちをより良い進路へと導いていけるように最善を尽くします。よろしくお願い致します。
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