「君子は和して同ぜず小人は同じて和せず」
優れた人は協調はするが、主体性は失わずむやみに他人に同調したりせず、
つまらない人は簡単に他人に同調するから心からその人との深い関係を結ぶことはできない。
といった意味の言葉です。
最近、私が本屋やコンビニに行って思うことなのですが、「悩みに関する本」「コミュニケーションに関する本」「メンタルに関する本」が多く置かれるようになっているような気がします。
これは、現代の世の中が、人間関係に悩んだり、落ち込んだりしている人が多いということの表れなのではないかと私は感じています。
なぜこれほどまでに人間関係に悩んだり、それに振り回されたりする人が多いのでしょうか。
それは周りに合わせすぎてしまって、周りの目を気にしすぎて、他人の評価の中で生きて、自分というものを見失ってしまうからなのではないかと私は考えています。
学校でも「スクールカースト」というような言葉を耳にします。これは、学校やクラス内部で自然に形成されるピラミッド型の階級制度のようなもので、
発言力があり力の強い子がカーストの上位に位置し、あまり発言力のない子が下位のカーストを形成するといった、目に見えないが、でも非常に強い拘束力のある階級です。
その中間層にいる子たちはなんとか上位層に食い込もうと、必死に上位層に気に入られ、好まれるような行動をとりつづけます。
そういうところから「いじめ」が発生していくということもあるのですが、こうした中で形成される人間関係はおそらくもろく、非常に浅いものになっていくでしょう。
こういうことは、決して学校だけで起こっていることではなく、実社会の中でも少なからず見えない拘束力を持つ階級制度が存在することがあります。
でも、そういう社会である限り、人が人間関係で悩んだり、落ち込んだり、自分を見失ったりすることは決してなくならないでしょう。
そこで、こうした状況を打開するために大切なキーワードが
「君子は和して同ぜず小人は同じて和せず」です。
人にむやみやたらに同調せず、自分の意志に反することを甘んじて受け入れることなく、しっかりと主体性を持って、その中で社会との関わりをうまくやっていく方法を考えるべきです。
そうすることによって、より楽しく、充実した、人生を送れるはずです。
さらに、それを継続していくことで他者との関係性も、より強固で深いものに変化していくはずです。
最近読んだ『ひとりぼっちを笑うな』(KADOKAWA/蛭子能収 著)という本の中で、蛭子能収さんはこんなことを言っていました。
「人間の魅力というのは、その人が所属している集団から生まれるのではなく、あくまでもその人自身の技量や性格からうまれるもの。その本質だけは、見誤ってはいけない」
自分の本当の魅力を全面に出し、社会によりよいアプローチをかけていくためにも、
「和して同ぜず」
の精神を大切にしましょう。
リトルステップ 塾担当 渡部岳(わたなべがく)
投稿者プロフィール
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リトルステップで学習塾を担当している渡辺です。
高畑小学校→道塚小学校→六郷中学校→東京高等学校→明治大学政治経済学部。
大学では『都市政策』専門家の市川宏雄教授のもとでゼミ活動を行い、その中で大田区長に対して「大田区の外国人観光客向け観光プラン」の政策提言を行いました。また、文学部で教職員課程の教授でもある齋藤孝教授から2年間教育方法・授業論等を学び、その教えを基に現在教育活動を行っています。
2019年3月まで学校現場でクラス担任をやっていて、現在も非常勤講師として学校現場に携わっています。
学校と塾と家庭の連携を図り、子どもたちをより良い進路へと導いていけるように最善を尽くします。よろしくお願い致します。
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