子育てが大変なお母さんへ

 子育てをしているとついつい子どもに対して強く叱ってしまうことってありますよね。

子どもがまったく親の言うことを聞かなかったり、場をわきまえずに騒ぎ始めたり、いくら宿題をやりなさいといってもやらなかったり…。
そうすると、どうしても頭ごなしに叱りつけて改善したくなってしまうものです。

子どもの将来を強く思うがゆえの行動です。

でも叱りつけたり、怒鳴りつけたりしたからといって、子どもの行動が簡単に改善されるわけではありません。

むしろそうして怒鳴れば怒鳴るほど、子どもの問題行動が増えていくということも起こりえるのです。

子どもが目の前で問題行動を起こしているときに、叱りつける前に考えてほしいことがあります。

それは子どもの「目的」です。



子どもがとる行動には必ず何かしらの「目的」や「意図」があります。

たとえば、いくら勉強をやりなさいといってもやらない子どもの目的は、「他の子と比べて勉強ができないから、勉強をやらないことで自分が勉強をできない言い訳をつくりたい」のかもしれませんし、「勉強をやらないで親や先生に怒られて問題児であることで、クラスで目立ちたい」と思っているのかもしれませんし、
その問題一つに隠された「真の目的」がどこかにあるはずです。


その「目的」や「意図」もわかってあげないで、頭ごなしに叱りつければ、子どもが「親や先生は、何にもわかってない」って反発するのは当然ですよね。
だから、子どもの隠された「目的」や「意図」を知ることが、子育てや教育において何より大切です。

子どもの「目的」や「意図」を知るためのヒントは、彼らが起こしている問題行動の中に隠されています。
だから、彼らが何か問題行動を起こしているときは、彼らの「目的」や「意図」を知るための絶好のチャンスなのです。

では、どんな「目的」や「意図」が隠されているのか?

たいていその「目的」はどんな問題行動であっても、次にあげる5つの項目にあてはまるはずです。

①親や先生から褒められたい・認めてもらいたい
②周囲の注意をひきたい
③権力で周りを従わせたい
④復讐をしたい
⑤無能を証明したい

例えば、公共の場で大声を出すという問題行動はそれによって周囲の注意を引きたいという②にあてはまるかもしれません。また、子どもが大人の言うことに反発し言い訳を繰り返すのは③の目的にあてはまるかもしれません。どんなに注意をしても他人をいじめたり、嫌がらせをしたりするのは、誰からも認められない憎しみの気持ちからくる④の目的に当てはまるかもしれません。さらに、引きこもりは、自分が何もできないことを周囲にアピールする⑤の目的かもしれません。

たいていの場合、①の「目的」が果たせないと②、②の「目的」が果たせないと③、というように段階が上がっていきます。

問題行動をなくすためには、こうした彼らの「目的」をしっかりと理解してあげて、その「目的」に寄り添い・共感しつつ、彼らを良い方向へと導いてあげるような適切な声掛けが必要になるのです。

ちなみに、安易に褒めることもダメですよ!
褒めることで子どもたちは①の「目的」を達成することになります。そうすると、子どもたちは「もっと褒めてもらいたい」という気持ちになり、さらに「ほめて認めてもらうため」の行動をとり始めます。しかし、その時に褒めてもらえないと子どもの問題行動は②の段階へと移っていきます。

安易に褒めてもダメ!叱ってもダメ!これが真実なのです。

褒めたり、叱ったりする前に、まずは子どもの行動の「目的」を知り、子どもに寄り添い・共感し、
そのうえで、褒めてもいいのか?叱ってもいいのか?を冷静に考えて、子どもと接していくことが大切なのです。

〈参考文献〉『幸せになる勇気』(岸見一郎・古賀史健/ダイヤモンド社)


リトルステップ 塾担当 渡部岳(わたなべがく

投稿者プロフィール

watanabe
watanabeリトルステップ塾講師
リトルステップで学習塾を担当している渡辺です。
高畑小学校→道塚小学校→六郷中学校→東京高等学校→明治大学政治経済学部。
大学では『都市政策』専門家の市川宏雄教授のもとでゼミ活動を行い、その中で大田区長に対して「大田区の外国人観光客向け観光プラン」の政策提言を行いました。また、文学部で教職員課程の教授でもある齋藤孝教授から2年間教育方法・授業論等を学び、その教えを基に現在教育活動を行っています。
2019年3月まで学校現場でクラス担任をやっていて、現在も非常勤講師として学校現場に携わっています。
学校と塾と家庭の連携を図り、子どもたちをより良い進路へと導いていけるように最善を尽くします。よろしくお願い致します。