『窓ぎわのトットちゃん』(講談社文庫/黒柳徹子 著)
私が教育者として常日頃から心掛けていることがあります。
それは、「子どもたちの個性を最大限に生かす」ということです。
「教育」と聞くと、どうしても子どもたちのことを、教える側の型にはめ込んで育てようとしてしまいます。子どもたちに対して「~しなさい」とか「~しなければならない」と言っているときは、たいてい教える側の経験とか価値観が基になっていると思います。
そのことが決して悪いわけではないですが、あまりにも子どもたちに「~しなさい」「~しなければならない」とう言葉を発し続けると、子どもたちの思考が停止して、本来持っている能力が抑えられて最大限に生かせなくなることがあるのではないかと私は思っています。
そういったわけで、私は「~しなさい」とか「~しなけらばいけない」とか「~してはだめ」といった言葉はなるべく使わずに、子どもたちに「問い」を発し続けて、自らの力で考えて物事の判断させていくことをいつも心掛けています。
そうして子どもたちの自主性や主体性を育て、個性を育てていきたいというのが私の教育観です。
私がこうした教育観を持つようになったきっかけとなる本があります。
それが黒柳徹子さんが書いた『窓ぎわのトットちゃん』という本です。
主人公のトットちゃんは、最初に入学した小学校を、授業中にあまりにも落ち着きがなく周囲に大きな迷惑をかけるということで退学になってしまいます。トットちゃんは授業中にじっとしていられなくて、すぐに窓際のほうに立ち上がって大きな声でチンドン屋さんを呼んでしまうのです。
でも、お母さんはそれでもトットちゃんを決して叱ることはなく、「この子の性格をわかってもらえる学校はないかしら」と新しい学校を探します。そして、トットちゃんが入学した学校が「トモエ学園」という学校でした。
トモエ学園の校長先生は「どんな子も『いい性質』を身につけて、それを伸ばしていき、個性のある人間にしていこう」という教育方針のもと、他の学校とは違った教育をしていきます。
校長先生は何があっても決して生徒を怒鳴りつけることはなく、子どもたち自身の力でいろいろな問題を考え、解決させようとしていきます。そうすることでトモエ学園の生徒はみんな素直で思いやりを持った個性ある優しい人間に育っていくのです。トットちゃんもトットちゃんらしく成長していき、だんだんと授業もじっと座って聞けるようになっていきました。
『君は、本当はいい子なんだよ』
これからも、私は子どもたちの潜在的な能力を信じて、それを最大限に伸ばせるような声かけや働きかけをしていきたいと思っております。
お母さん・お父さん・先生など教育に携わるすべての人に読んでほしい一冊です。
リトルステップ 塾担当 渡部岳(わたなべがく)
投稿者プロフィール
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リトルステップで学習塾を担当している渡辺です。
高畑小学校→道塚小学校→六郷中学校→東京高等学校→明治大学政治経済学部。
大学では『都市政策』専門家の市川宏雄教授のもとでゼミ活動を行い、その中で大田区長に対して「大田区の外国人観光客向け観光プラン」の政策提言を行いました。また、文学部で教職員課程の教授でもある齋藤孝教授から2年間教育方法・授業論等を学び、その教えを基に現在教育活動を行っています。
2019年3月まで学校現場でクラス担任をやっていて、現在も非常勤講師として学校現場に携わっています。
学校と塾と家庭の連携を図り、子どもたちをより良い進路へと導いていけるように最善を尽くします。よろしくお願い致します。
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